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Made in SODEGAURA
舞台美術がどの様に製作されて行くのか、シミズズオクトさんの千葉スタジオを見学させていただきました。
千葉スタジオでは舞台美術の製作をはじめ、アリーナやスタジアム等の大規模なステージを作るための
資材を管理、メンテナンスし会場へ送り出しています。
また、オクホールでは舞台セットの仮組みや、実際にステージを組み、照明のプログラム、
リハーサルに使用されています。この千葉スタジオは平成二年、千葉県袖ヶ浦市に設立され、
1万坪以上の敷地面積もつファクトリーです。
千葉スタジオは木工、経師、構設計・溶接、造形、塗装
グラフィック出力、吊り物モーター管理、資材と大きく8つの
セクションから成り立っています
千葉スタジオ略図
3号棟にある機構設計・溶接の作業所
最近大型化しているセットの対して強度、耐久性のある鉄やアルミの部材が
よく使用されます。また、メカニカルな装置も製作されていて写真上部の
黒い鉄骨はポップアップという簡単な迫りの装置で、
アーティストが舞台に登場する時に使ったりします。
1号棟にある木工製作所
看板やパネルをはじめ様々な造作物が出来上がってきます
コンピューターにインプットしたデータどおりに正確な曲線にカットされ ていきます
1号棟の2階は経師の作業所です。美しく経師された美術セットは舞台やテレビ局の
スタジオ、展示会場など多くの場所で見られます。
写真はパネルの裏側で、このパネルの補強材として使われているのは
LVL(Laminated Veneer Lumber)という木材で
ベニヤの繊維の方向を揃え重ねた集製材で、
一般的な赤松等と比べ安価で強いので、補強材として最近よく使うそうです。
もう一つ新素材を紹介します、写真はエコプライというベニヤにペットボトルのキャップをリサイクルして混ぜ合わした板です。青や白の細かなチップがキャップの名残です。
そして自動販売機の脇にはキャップの回収ボックスが設置されていました。
1号棟の2階はグラフィック出力の作業所です。世界最大級のインクジェットプリンターがあり、
重量はなんと4t、5mの幅まで継ぎ目なく印刷することが可能です。
看板に使う紙やビニール素材はもちろん、幕や舞台でよく敷く
パンチカーペットやリノニュームまで鮮明にプリント出来ます。
綺麗にプリントされたパンチカーペット
3号棟は造形とペイントの作業所です。
写真はスチロールで造形し美しくペイントされたキノコ、
舞台にとどまらず映画やテーマパークのセットも作られています。
美しく仕上げながら運搬のしやすさ、難燃加工など細かな配慮がなされていました。
製作所の向かいの敷地には沢山の資材が管理されています。
写真はレイヤーとう鉄の部材で、
アリーナや野外イベントなど仮設でステージを組む時、
この部材を組み合わせて舞台の基礎や照明タワーを作ったりします。
山積みになっているレイヤーも夏の忙しい時期にはほとんど無くなってしまうそうです。
この敷地には他に平台やトラスも数多く保管されています、管理も大変ですね。
倉庫にはアリーナなどで照明トラスや舞台セットを
昇降させるモーターが種類別に管理されています。
重量、吊り上げる高さに応じてモーターも変わるので種類もたくさん有ります。
メンテ中のモーター
何時でも安全な状態で使用できるように、
製造元であるCMモーター社に認定された熟練スタッフが
日頃からメンテナンスをしっかり行なっています。
倉庫の2階では大量の幕が保管されていました。
写真は汚れを落とし補修をしているところです。
大量の幕も種類、大きさ別に保管されています。
敷地の奥には焼却炉があり、廃材の釘を抜き使えそうなものは再利用し、
そうでないものは焼却します。焼却時にでた熱を利用して湯を沸かし、
「シミズ温泉」(事務所棟にある大浴場)に使われています。
事務所棟2Fにある「清水温泉」の入り口、
まるで温泉旅館のようです、この入り口はシミズオクトの皆さんで作ったそうです。
本物の温泉では有りませんが焼却炉の熱によってお風呂が沸かされているのです。
天気が良いと湯船に浸かりながら富士山を見ることが出来るそうです。
仕事の疲れも気持ちよく癒されますね。
まだこのページでは紹介しきれない箇所が幾つかもあります。
千葉スタジオの見学を終えて、シミズオクトでは
倉庫や工場から、現場が安全かつ迅速に
作業ができるように私の知らない至る所に配慮がなされていることが分かりました。
現場では舞台監督が大道具をはじめ各セクションを
安全第一で進行させなくてはなりません。
今回の経験を活かした仕事を築きたいと思います。
シミズオクト、千葉スタジオの皆様、お忙しい中細部にわたり見学させていただき
本当に有難うございました。
山本亮太
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