舞台監督養成・出張講座

2005年から、3年計画で始動しました。 これは、いわき芸術文化交流館アリオスの建設実施計画に伴い、クリエイティヴな人材を育成しようという、ソフト開発で、市民と行政が協働で行う、全国でもレアなケースでした。


講座は
  舞台監督・大道具 舞台照明 イベント企画 表現者
の、4コースでスタートし、約半年後、卒業ライヴという形で成果発表を行いました。
★2006年3月 つのだ☆ひろをゲストに、ジャズとゴスペルのコンサート
★2007年1月 パパイヤ鈴木とおやじダンサーズをゲストに、
HIP−HOP中心のダンスイベント
そして、
★2008年3月には、完成したアリオスのオープン直前に、アリオス全館を使ってのフェスティバルイベント

舞台監督を教える????

私にとって、それは初めての経験。
開講当初は、 試行錯誤の連続でした。

§Tまず始めにしたことは、挨拶の励行。
コミュニケーションの原点は、挨拶です。
大きな声で、「おはようごさいます」と「お疲れさま」
この2つの言葉は、これから現場で仕事をするにあたって、大変重要です。
特に、舞台監督にとって、大きな声を出す事は、さらに重要です。
§Uそれから、とにかく舞台の基本を教えました。
舞台用語、尺貫法、幕のたたみ方、ロープの結び方、台組み・・・・etc
ところで、

舞台監督とはどんな仕事なのか????。

一言で言い表すのは難しいですね。 イメージ1
照明さんは、明かりを創る、音響さんは、音を創る、 大道具さんは、道具を組み立てる。etc

では、舞台監督は?

決められた日、決められた場所で、
不特定多数の人々を集めて行われるイベントやコンサートを
安全に、円滑に遂行させるため、

  • @時間と行程を管理し、
  • A人々の交通整理をし、
  • B作品の品質を管理、運営する。そして、
  • Cそこに参加する全ての人々に心を配り、コミュニケーションをとりながら、本番進行の指揮をとる人です。
 

そこで、
 舞台監督をやろうという人間には、
 イベント(舞台)の安全、行程、品質などの管理能力や運営技術の他に、
 統率力、判断力、決断力、協調性、カリスマ性など、 豊かな人間性も必要とされるのです。

人間は、十人十色。 舞台監督も十人十色。

色々な個性があって構わないと思いますが、 イメージ2
少なくとも、舞台監督を目指すからには、
自分自身を知り、長所を伸ばし、短所を補い、「人間として成長しようとする人間」でなければならない…
というのが、私が、講座で教えたいことでした。

一通りの基本講座が終わると、
卒業制作に向けての実践的な動きになってきます。
その、ひとつの作品を作り上げる協働作業なかで、

  • 人と人との出会いを大切に
  • コミュニケーションの重要性
  • 安全第一
  • 目的意識の共有
  • 共感と一体感〜感動の創出
を、なんとか伝えよう。
それには、まず、私自身が成長しよう、と、戦いの3年間でした。

こうして、この事業は、第2回日本イベント大賞制作賞を受賞するなど、 質の高いものとなりました。

TEXT By 宇田衛